<シェフインレジデンス>

●壱岐視察 

シェフの松本恵里さんを招聘。

壱岐七蔵の麦焼酎にペアリングするアンティパストを創作いただくため壱岐ならではの特産品や食材の生産者を訪問調査。食の情報を収集しました。

 

2021年7月6日~7日(2日間)

6月24日

JA壱岐畜産部、農事組合法人 壱岐柚子生産組合、(株)壱岐の潮風、平山旅館、壱岐オリーブ園

6月25日

株式会社なかはら食品事業部、株式会社なかはら陸上養殖場、

壱岐水産株式会社

<壱岐焼酎のセレクトについて>

壱岐勝本町湯本地区で旅館を営む「平山旅館」の女将、平山真希子さんに壱岐焼酎についてヒアリングを行った。壱岐七蔵それぞれ各代表の銘柄ではなく蒸留法や貯蔵法に特徴があるものやストーリー性があるものなどをあえてセレクトした。

 

1、天の川酒造

「天の川VERY OLD」

 30年の熟成を経た極上の深い味わいが特徴です。

昭和53年に小説家の開高健氏が天の川酒造の先代社長に送った三通の手紙に由来してつくられていて、ストーリー性にもあふれる焼酎です。

http://amanokawashuzo.com/products/very-old/

2、猿川伊豆酒造

「超音波熟成焼酎 円円(まろまろ)」

自然熟成に加え、超音波熟成法により、まろやかで飲みやすいだけでなく二日酔いしないと言われており担ぎさん(ウニやサザエを獲る人たち)に好まれています。

http://www.saruko.com/brand/brand02.html

3、玄海酒造株式会社

「松永安左エ門」

ホワイトオーク樽で熟成された限定品で濃厚な香り、すっきりとしたキレ、米麹による天然の甘みが特徴的。

「電力の鬼」と呼ばれた壱岐出身の松永安左エ門が商品名となっている。

https://www.mugishochu-iki.com/selection/matsunaga.html

4、壱岐の華酒造

「海鴉」

米麹の甘さと木樽で熟成された、まるでウイスキーのような香りと味わいが特徴的。

壱岐ではメジャーな感じではあるが、長崎県限定販売商品。

http://ikinohana.co.jp/umigarasu/

5、壱岐の蔵酒造

「なでしこ」

華やかな香りが特徴的な花酵母焼酎。

撫子の花酵母で仕込まれた世界初の焼酎。

http://ikinokura.co.jp/#items

6、山の守酒造

「一州(いっしゅう)」

個性的な風味と原料である麦の香りが特徴的な焼酎。

土中に埋め込んだかめで貯蔵して作られているが、この伝統的な作られ方をしているのは壱岐で山の守酒造の一件となっている。

https://www.mugishochu-iki.com/yamanomori/

7、重家酒造

「ちんぐ 白麹仕込み」

麦の香ばしさと米麹の甘さがあるがキレのいい味わい。

壱岐産の麦と米を使用しており、常圧蒸留法と減圧蒸留法のそれぞれがブレンドされているのが特徴。

https://www.omoyashuzo.com/product.html

<ご協力いただいた事業所様>

■壱岐牛

JA壱岐畜産部

〒811-5732 長崎県壱岐市芦辺町国分東触706

 

■柚子及び柚子加工食品

農事組合法人 柚子生産組合

〒811-5731 長崎県壱岐市芦辺町国分当田触849-6

 

■トマト及び野菜(品種:ままなかせ)

(株)壱岐の潮風

〒811-5545 長崎県壱岐市勝本町本宮南触148

 

■魚介類及び海産物

平山旅館 平山周太朗様

 〒811-5556 長崎県壱岐市勝本町立石西触77番地

 

■オリーブ加工食品

壱岐オリーブ園株式会社

〒811-5136 長崎県壱岐市郷ノ浦町片原触1190

 

■ふぐ

株式会社なかはら陸上養殖場

〒811-5136 長崎県壱岐市郷ノ浦町片原触2581-11

 

■塩(一支國の塩)

株式会社 なかはら食品事業部

〒811-5461 長崎県壱岐市芦辺町瀬戸浦1245

 

■うに

壱岐水産株式会社

〒811-5461 長崎県壱岐市芦辺町瀬戸浦182−4

●壱岐焼酎とフードペアリングについて

 

①天の川 VERY OLD (天の川酒造・郷ノ浦町田中触)

+ふぐの一夜干しと夏野菜のなめ味噌和え *煮凝り付き

(ふぐ身・ふぐ皮・きゅうり・ナス・なめみそ・一支國の塩・布谷醤油)

*30年熟成、アルコール度数36。

⇒淡白な味のふぐが、熟成されたお酒の良さを引き立てる。また、郷土調味料「なめみそ」が、アルコール度数に負けない力を発揮する。

 

②円円 (猿川伊豆酒造・芦辺町深江本村触)

+ウニチーズアボカド

(塩ウニ・壱岐牛乳・一支國の塩・アボカド・リンゴ酢・お麩)

*アルコール度数25。数種の原酒をブレンド。超音波熟成で、二日酔いしにくい。担ぎ手に好まれる。まろやか。

⇒担ぎ手の活躍により楽しめるウニを、より滑らかに、まろやかに。ウニ自体にも、タウリンが多く含まれていて、二日酔いを防止する。

 

③松永安左エ門 (玄海酒造・郷ノ浦町志原西触)

+スマカツオの塩タタキ *ニラだれ添え

(スマカツオ・一支國の塩・布谷醤油・ニラ・ピーナツ)

*シェリー酒使用後のオーク樽で3年以上熟成。岳の辻の山の水で仕込む。琥珀色。キレと麹の甘みが特徴。アルコール度数43。

⇒クセのあるカツオに、お酒のクセを合わせる。かつおは、タタキにすることで、香ばしさをプラス。シェリー酒とカツオの相性は良い。

 

④海鴉 (壱岐の華酒造・芦辺町諸吉二亦触)

+ゆべし入り生チョコレート

(ゆべし・生クリーム・熟成麦焼酎・ビターチョコレート・純ココア)

*ホワイトオークで5年間熟成することで、ウイスキーのような味わい。

⇒ウイスキーとチョコレートのペアリング。郷土調味料「ゆべし」には、苦みのある柚子、甘じょっぱい味噌・砂糖を加えることで、複雑な味わいが口に広がる。

 

⑤なでしこ (壱岐の蔵酒造・芦辺町湯岳本村触)

+壱岐産若鶏の鶏ハム *いくりソース

(鶏もも肉・一支國の塩・いくり・ズッキーニ・麦焼酎・黒コショウ)

*撫子酵母使用、アルコール度数25。吟醸酒のような香り。肉料理や中華料理に合う。

ソーダ割も人気。

⇒お肉に合わせる。花酵母にフルーティーなものも合うと考える。

 

⑥一州 (山の守酒造場・郷ノ浦町志原西触)

+焼きアスパラと半熟たまご

(アスパラ・卵・一支國の塩・布谷醤油・じゃがいも・オリーブパウダー・生クリーム)

*甕仕込み、土の中に埋めて貯蔵。アルコール度数25。昔ながらの味。麦の香り。

⇒土の中で育つ、ジャガイモをマッシュポテトに。アスパラは、焼くことで香ばしさをプラス。オリーブパウダーで苦み、調味料で素材の甘みを引き出す。

 

⑦ちんぐ 白麹 (重家酒造・石田町印通寺浦)

+ヤリイカのセビーチェ

(ヤリイカ・万願寺唐辛子・トマト・赤玉ねぎ・ジャンボニンニク・一支國の塩・麦)

*壱岐の米麹・大麦を使用。昔ながらの味わいを残しつつ、キレとフルーティーさを持つ。ワイングラスで味わいたい。アルコール度数25。(テロワール思考)

⇒海にほど近い場所で作られるので、海の幸と。湯通ししたヤリイカと壱岐野菜とともに、柑橘果汁でマリネード。大麦も加えて、原料ともペアリング。

●ペアリング試食会

壱岐にある七蔵の麦焼酎七種類ににペアリングするアンティパストを麦焼酎と食材の特徴について地理的一致、原料一致、味の濃さの一致、色の一致、風味の一致などを要素に松本シェフが創作。

招待客の皆様に披露し、試食していただきました。

<招聘シェフプロフィール>

松本 恵里

1987年、福岡市生まれ。

管理栄養士。Jrベジタブルフルーツマイスター。

福岡市のダイニングバーに10年間勤務。3店舗の店長を務める。

その間、小説や漫画に登場する料理の再現を中心に、東北地方の料理や中華料理などに注力し、料理教室主催やレシピ提供を行う。

新聞や媒体などでのレシピ紹介や、カフェメニューの開発などを手掛ける。

また、地域の特産品に興味が深く、加工品を利用した誰でも気軽に作れるレシピの開発を得意とする。

近年では、ヨーロッパで行われている日本文化を広めるイベントに4度参加。ヨーロッパに滞在し日本食の普及活動に携わる。また、現地の日本食レストランにて、ヴィーガンについて学ぶ。

現在、フリーランスで、飲食店のメニュー開発、運営のサポートをしている。